長期優良住宅とは、国の政策として「質の高い住宅を大切に使っていくことで、住生 活の向上及び環境への負担の軽減を図ることが重要である」という考えに基づき、「長期に渡り良好な状態で使用できるための措置がなされている」と認定された住宅のことをいいます。
2009/6/4に施工された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」により、一定の基準を満たした認定長期優良住宅は、税制面での優遇などを受けられます。
認定は所管行政庁(都道府県知事又は市区町村長)が行い、技術的審査は国土交通省の認定審査機関が行います。
現在、世界的な課題となっているCO2の削減において、建物の建設時に排出されるCO2の削減はあまり進んでいません。
欧米と日本の住宅の平均寿命を比較すると、欧米の住宅が50年以上なのに対して、日本の住宅の平均寿命は30年程度と言われています。
このことから日本の住宅の新築や建替えの周期が欧米と比べて短いことが分かり、それは建設に伴うCO2排出のペースも早いという事が言えます。
そこで、日本の政策として住宅の平均寿命の向上を図り「スクラップ&ビルド」から「ストック(保存)」の時代へ移行することで、環境負荷への影響を抑えようという動きが背景にあります。
長期優良住宅には、厳しい認定基準が7つあります。
数世代にわたり住宅の構造体が使用できること。
極めて稀に発生する地震(大地震)に対して、損傷しにくい構造強度を図ること。※地震力に対しては建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと。
耐用年数が短い内装・設備の維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
居住者のライフスタイルの変化に応じて、間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
将来のバリアフリー改修に対応できるよう、共用廊下等に必要なスペースが確保されていること。
良好な住環境の維持のため、一戸建て住宅の場合、最低75㎡以上の住戸面積を有すること(1階部分は階段を除いて40㎡以上)
維持保全の観点として、建築時から将来を見据えた定期的な点検・補修等に関する計画が策定されること。
このように、長く住み続けるために必要な性能やメンテナンスに対応し履歴を残していくことが長期優良住宅の認定基準として求められています。